災害時の停電対策やキャンプなどのアウトドアに役立つ家庭用蓄電池(ポータブル電源)の購入者が増えています。本記事ではポータブル電源(家庭用バッテリー)の選び方とメリットデメリット、また実際に私が購入した商品を紹介します。
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ポータブル電源(家庭用蓄電池)とは?
家庭用蓄電池(ポータブル電源)は、一言で言えば、モバイルバッテリーの大型版の事です。
災害時の備えとして、自宅のコンセントから充電ができますし、規格を合わせる必要がありますが、太陽光発電機(ソーラーパネル)から充電する事もできます。
ひと昔前は、「売電目的」で自宅の屋根や私有地に太陽光パネルを設置する方が多かったのですが、昨今では、電気代の値上がりや災害対策として、自分が使うための電気をソーラーパネルで発電し、蓄電池に蓄電する方が増えています。
大型ユーザーとミニマムユーザー
太陽光発電のユーザーを大別すると、自宅で使用する電気の全てを賄う大型ユーザーと、大型家電などは電力会社の電気を使用し、主に充電可能な小型家電を自家発電で賄うユーザーとに分かれます。
使用する家電 | |
大型ユーザー | クーラー、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、トースター、ドライヤー、電気自動車など |
ミニマム、ミディアムユーザー | 使用電力の大きい家電は電力会社の電気を使い、主に充電可能な家電(スマホ、ノートPC、扇風機、洗濯機、電気シェーバー、LEDライトなど) |
自宅で使用する電気のすべてを太陽光発電で賄おうとすれば、やはり自宅の南側の屋根を中心に太陽光パネルを敷き詰める必要がありますし、夜間は発電しませんから大容量の蓄電池が必要になります。
ざっと見積もっても費用は、150万以上(200万~300万)はかかるでしょう(使用料による)
それに対して、ミニマムからミディアムユーザーの場合は、使用電力量にもよりますが、パーソナル電源と太陽光パネルのセットで10万~15万くらいで済むと思います。
私自身は、ミディアムユーザーといったところでしょうか、消費電力の大きい家電は電力会社の電気を使用し、その他の家電はほぼ太陽光発電で賄っています。
ポータブル電源(家庭用蓄電池)のメリット
ポータブル電源を使用するメリットとしては、以下のような点があります。
- 災害対策
- 節電対策
- キャンプや車中泊
家庭用蓄電池(バッテリー)に電気を溜めておけば、停電時などの災害時に役立ちます。
また、太陽光パネルで自家発電した電気を蓄電池に溜めて使えば、節電対策にもなります。
私の場合は、主に節電目的で購入しました。
その他、キャンプや車中泊などでも楽しめます。
ポータブル電源(家庭用蓄電池)のデメリット
ポータブル電源を使用するデメリットとしては、以下のような点があります。
- 価格が高い
- 処分費用がかかる
前述したように、自宅で使用する電気のすべてを賄おうと思えば、工事費用も含めかなりの高額になります。自治体に補助金などがあるかを確認したほうが良いでしょう。
また家庭用のポータブル電源もまだまだ高いと思います。
政府が本気で節電対策を考えているのであれば、工事を伴わない場合も補助金を出してほしいです。
もう一つ、私自身が大型ユーザーにならなかった理由は、太陽光パネルも、蓄電池も、いずれ寿命が来ます。
どちらも廃棄物になりますので、その際の処分費用は馬鹿にならないだろうという事です。
ポータブル電源(家庭用蓄電池)の選び方
本項では、使用目的に応じたポータブル電源の選び方を紹介します。
太陽光発電というと、ソーラーパネルのほうに目が行きがちですが、実際にはポータブル電源(バッテリー)の性能のほうが重要です。
- 具体的な使用目的
- ポータブル電源のAC出力
- 蓄電容量
- リン酸鉄リチウムバッテリー
具体的な使用目的を決める
まず具体的な使用目的、どの家電をどれくらいの頻度で使うのかを考えてみましょう。
クーラーや冷蔵庫、炊飯器などの消費電力の大きな家電を一時間以上使う場合は、大型ユーザーとなり、業者に頼んでの大規模な工事が必要です。
電子レンジ、電気ポット、トースター、ドライヤーなども消費電力の大きな家電ですが、その家電の消費電力よりも、ポータブル電源のAC出力が大きければ使用できます。
ただし、これらの消費電力の大きい家電を使用した場合は、丸一日かけて充電した容量をほんの数分で使いきってしまう事もあります(*_*;
大まかな家電の消費電力とポータブル電源に必要なAC出力は以下の通りです。
使用家電 | 家電の消費電力 | ポータブル電源のAC出力 |
---|---|---|
電子レンジ、トースター、電気ポット、ドライヤー | 1000~1500W | 1500W以上 |
洗濯機、掃除機 | 300~500W | 500W以上 |
テレビ、扇風機 | 30~50W | 100W以上 |
充電可能な家電 | 一つの家電につき30W程度 | 50W~100W |
私の場合は、まず充電可能な家電は、すべて太陽光発電機からポータブル電源へ充電した電力で賄っています。
- スマホ
- ノートPC
- 充電式クリーナー(ダイソン)
- シェーバー
- 電子タバコ
- インパクトドライバー
- リサイクル電池など
あと洗濯機にも毎回使用しています。洗濯機は瞬間的な消費電力は300W位ありますが、反転式の場合は、0W → 300W → 0W → 300Wを繰り返すため、思ったより電気容量を使用しません。
蓄電容量に余裕がある時は、ツインバードのスティック式クリーナー(消費電力300W程度)やテレビ(30~50W)、扇風機(30~50W)、LEDライト(6W)などにも使用しています。
ポータブル電源のAC出力
使用する家電の定格消費電力を確認したら、その消費電力を上回るAC出力のポータブル電源を選択します。
その際、定格消費電力ギリギリではなく、余裕を持って上回るAC出力のポータブル電源を選んでください。
ギリギリだと使用できない場合があります。
またポータブル電源の瞬間最大出力ではなく、必ず定格AC出力を基準とします。
蓄電容量
次にポータブル電源の蓄電容量を選択します。
ポータブル電源の蓄電容量は、Wh(ワットアワー)という規格で表示されています。
例えば1000Whであれば、1000Wの消費電力の家電を1時間使用できる容量という事です。
100Wの消費電力の家電であれば、10時間使用できます。
500Wであれば、2時間です。
TVの通販番組などで紹介されているポータブル電源は、蓄電容量が小さくミニマムユーザー向けです。
災害時のスマホ充電程度であれば良いですが、ある程度節電対策まで考えている人は、最低でも500Wh以上(できれば1000Wh)の蓄電容量はほしいところです。
リン酸鉄リチウムバッテリー
最後に、ポータブル電源は、リン酸鉄リチウムバッテリーの蓄電池を選んでください。
リン酸鉄リチウムバッテリーは、リチウムイオンバッテリーの4倍以上の充放電回数があると言われています(一説には2000~3000サイクル)
災害時やキャンプなど、年に数回しか使用しないのであれば、リチウムイオンバッテリーでも構いませんが、私のようにほぼ毎日充放電を繰り返している方は、リン酸鉄リチウムバッテリーをおすすめします!
budo-ka 所有のポータブル電源
ここまでポータブル電源の選び方を解説してきましたが、それでも選び方が分からないという方は、私が保有しているポータブル電源を紹介しますので、ご参考ください。
GOOD GOODS ポータブル電源
私が最初に購入したポータブル電源です(購入は2022年)。120Wのソーラーパネルとセットで価格は152,000円程度(私の購入時は、125,000円位でした)
リン酸鉄リチウムバッテリー、AC出力1000W、蓄電容量1280Wh、ミニマムよりもミディアムユーザー向けです。
ACコンセントが3口、USB3.0が3口、typeCが1口、DC出力も可能です。あと、明るさを3段階で調節できるLEDライトも付いています。
充電可能な家電に限らず、蓄電容量に余裕があれば、テレビ、扇風機、洗濯機、スティッククリーナー(消費電力300W)なども使えます(各家電の消費電力による)
T-falのケトルや600Wの電子レンジ(消費電力1350w)、トースター1000wなどは、消費電力がAC出力を上回るため使えません。安全装置が働いて自動停止します。
重さが14キロくらいあるので、女性には重いかな(^_^.)
GOOD GOODSさんは、もともと工事用の照明器具を販売している会社です。
パーソナル電源 単品の場合は、118,000円程度です。
充電可能な家電のみに使用するミニマムユーザー向きの商品もあります。
こちらも120Wのソーラーパネルとセットで、価格は9万円程度。
リン酸鉄リチウムバッテリー、AC出力500W、蓄電容量540Whです。容量に余裕がある時は、テレビや扇風機、洗濯機にも使えそうですね。
ACコンセントは2口、重さは6.3キロです。初めての方は、こちらの商品のほうが良いかもしれませんね。
EcoFlow ポータブル電源 DELTA 2
次に私がサブとして使用している「Eco Flow DELTA mini」を紹介しようと思ったのですが、もう生産が終了しているようなので、よりパワーアップしたDELTA2を紹介します。
こちらの商品は、160Wの太陽光パネルとセットになります。
リン酸鉄リチウムバッテリー、AC出力1500W、蓄電容量1024Wh、この商品もミディアムユーザー向けと言えるでしょう。
私がEcoFlowの商品を買った理由は、AC出力がGOODGOODSのポータブル電源よりも高く、より多くの家電を使用できると思ったからです。
自宅コンセントから高速充電も可能で、重さは12キロ。
ACコンセントは6口ですね。miniより一つ増えてる(*_*;
USBは、3.0が2口、急速充電用が2口、typeCも2口のようです(詳細は販売先にてご確認ください)
DELTA miniは、リチウムイオンバッテリーでしたが、DELTA2ではリン酸鉄リチウムバッテリーに進化していますね。
DELTA2のもう一つのメリットとしては、専用のエクストラバッテリーと接続する事で蓄電容量をほぼ2倍にアップグレードできるところです。
EcoFlowの商品は、年に数回バーゲンセールを行うので、その時を狙いましょう。
価格が約半額になります(*_*;
まとめ
今回は、災害対策や節電対策に役立つ家庭用蓄電池(ポータブル電源)の選び方とメリットやデメリット、また私が実際に購入した商品を紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?
私の場合は、災害時の備えという考えもありますが、節電対策として、なくてはならない物。生活の一部となりました。
実際、初年度は前年同月比で、毎月大体15%程度の節電に成功しました。
その後の電気代の値上がりには参りましたね(^_^.)それでも、これがなかったらと思うと怖いです。
購入する際は、設置場所や実際に充電できる時間などをご考慮の上、本当に自分に必要な物かよく考えてご購入ください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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