(在宅介護は、いくつもの工夫を積み重ねていく)
前回の「在宅介護のための住宅改修工事(バリアフリー・リフォーム)。」では、退院してから自宅に入るまでをシュミレートしてみました。今回は室内の事を考えていきましょう。
今回も「在宅介護の準備。「立位の維持」を基準に今後の方針を決めよう!」で紹介しました以下の段階を基準に考えていきたいと思います。(すべて脳梗塞の患者で体の片側が麻痺している状態を想定しています)
(A)歩行が可能で、補助無しでも立位を維持できる。
(B)歩行はできないが、車椅子の操作が可能で、補助が一人付けば一定時間立位を維持する事ができる。
(C)Bの状態から、立位の維持が難しくなる。ベッドから車椅子やポータブルトイレへの移動に複数人の補助が必要となる。
※ 立位の維持ができるかどうかと、立位の維持に補助が何人必要かが最も重要になってきます。
(A)の状態と(B)の状態では、生活のパターンは随分と変わってきます。(C)の状態は、外見的には(B)の状態と変わりませんが、介護の負担が急激に上がってくるので、在宅での介護よりも最初から施設への入居を考えたほうが良いと思われます。
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〔どの部屋を介護用の部屋とするか〕
では、まずどの部屋を介護用の部屋にするかを考えてみましょう。
ご自宅のどの部屋を介護用の部屋としますか?
当然ですが、二階はまず無理ですよね。
一軒家の場合は、必然的に一階にある部屋の中で考えてみましょう。
マンションの場合も消去法で考えていきましょう。
我が家の場合は、一階には和室とリビング、そしてDKがあります。
さすがにキッチンにベッドを置くのは無理ですよね。
必然的にリビングか和室となります。
父が(A)の状態で、歩行が可能であれば、和室でも良かったと思います。
ただし車椅子を和室で使うと畳が傷んでしまいますので、フローリングに改装する必要がありそうです。(改装費用の補助金は、既に駐車場からのバリアフリー代として使う予定です)
また和室は六畳間ですので介護用ベッドやポータブルトイレを置くとなると、それだけでかなりのスペースを専有してしまいます。
結果としては、我が家の場合は、リビングを介護用の部屋とする事にしました。
〔在宅介護に必要な介護用品のレンタル〕
次に室内で必要な介護用品を挙げてみますので、皆さんもご自宅の介護用の部屋に置いてみたと想像してみて下さい。
【レンタルした介護用品】
()内は種目
〇リクライニング機能式の介護用ベッド(特殊寝台)
〇ベッドのマット(床ずれ防止用具)
〇ベッドの柵(サイドレール、特殊寝台付属品)
〇ベッドの柵に取り付けるグリップ(特殊寝台付属品)
〇移動式のテーブル
【購入した介護用品】
〇車椅子
〇ポータブルトイレ
こうして見ると、やはりベッドとベッドの付属品が多いですね。
(A)の状態で、自分でベッドからの起き上がりも普通にできるようであれば、ベッドも市販の折り畳み式のベッドでも可能だと思います。(普通のマット式のベッドでも構いませんが、掃除の事を考えると、折り畳み式のほうが便利だと思います)
ただし、将来的に(B)の状態に近づいてくるでしょうから、やはりレンタルにしておいたほうが無難かもしれませんね。
手すりもベストポジションバーといって、ベッドの柵に付ける物ではなく、床から天井に突っ張り棒のように立てて使うタイプもあります。
車椅子は、うちは最初は購入しましたが、時代の変化と共にどんどん便利な物が出てきていますから、現在はレンタルにしています。これから介護を始める場合は、レンタルをお勧めします。
(B)の状態であれば、やはりポータブルトイレだけは購入となります(レンタルはありません)。ポータブルトイレに関しても補助金があります。
ポータブルトイレは、家具調の物が見た目は良いのですが、重くて使い辛いので、後にプラスチック製の物を再購入しました。冬場の事を考えると、温熱式の便座がおすすめです!
(A)の状態の方であれば、自宅のトイレを改装という事になるでしょうか。立ち上がりの際に手すりが必要だと思われます。
また(A)の状態の方も、実際にはズボンや下着の上げ下ろしは補助が必要でしょうから、その場合はポータブルトイレのほうが良いかもしれませんね。
これらの物を退院前に準備する必要がありますので、実際の退院前にケアマネジャーやリハビリの先生と充分話し合って準備を進めていきましょう!
次回は、退院前に行う一時帰宅と介護用品の購入についてお話し致します。
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