結局、父はリハビリの専門病院に転院するまで、三か月近くかかりました。理由は近辺のリハビリ病院にベッドの空きが出なかったからです。
自宅から車で25分ほどの病院でようやく空きが出て、転院する事になりました。
リハビリ病院で行う事は、とにかく機能回復のためのリハビリです。退院後の日常生活をできるだけ自分自身で行えるように、リハビリ病院の入院期間は徹底的にリハビリを行います。
この病院で行っていたリハビリは、以下のようなものでした。
Contents
【理学療法士によるリハビリ:PT】
日常生活に必要な機能を回復させるための根幹的なリハビリ。
寝た状態から起き上がる。
ベッドから車椅子への移動。
車椅子からトイレへの移動。
車椅子の操作と走行。
歩行練習など。
【作業療法士によるリハビリ:OT】
日常生活で行う作業を通じて機能回復を目指す。
字や絵を書くなどの手作業。
食事。
着替え。
主に上半身の運動機能回復。
理学療法は、どちらかというと体全体の機能回復。作業療法は、もう少し細かく、作業(遊び)を通じて上半身や手先の機能を回復している印象を受けました。
PTやOTは、最初の半年位までは、毎日40分ずつ行って頂きました。(後に各20分ずつに縮小)
【言語聴覚士によるリハビリ:ST】
もう一つ言語聴覚士による嚥下障害のリハビリも行われました。
嚥下障害とは、通常は、食物を飲み込む時に、スムーズに食道へと運ばれますが、これが誤って気管へと運ばれてしまう障害です。
気管へ食物が入ると、通常はむせて吐き出すのですが、嚥下障害のある人は、うまく吐き出す事ができず、食物が気管から肺へと運ばれてしまい、所謂「誤嚥性肺炎」の原因となってしまいます。
父の場合は、この嚥下障害が強く、誤嚥性の肺炎には何度も悩まされました。
【誤嚥性肺炎による微熱が続く】
転院して、さぁリハビリを頑張ろうと思うと、すぐに微熱が出てしまいます。それも37度何分とか、本当にごくわずかな発熱なんですね。
このリハビリ病院で主治医になった医師の方が、本当に慎重な方で、微熱が出ると、すぐにリハビリを止めてしまいます。
仕事が終わって病院に行くと、「今日もリハビリができなかったよ」と聞いてがっかりしたのをよく覚えています。
また担当の言語聴覚士の方も新人さんだったからか、嚥下障害のほうもなかなか改善されませんでした。
経管栄養で栄養は取っていましたが、口にする物はリハビリ用のプリンだけでしたので、体重はどんどん減っていきました。この頃に撮った写真を父の障害者手帳に使っていますが、本当に骸骨みたいです。
食事というのは、本当に重要で、やはり口を動かして、唾液を出しながら食事を取らないと、体力もどんどん落ちていってしまいます。
〔帯状疱疹を発症〕
体力が落ちていくと、抵抗力(免疫力)も下がっていき、父は帯状疱疹にもなってしまいました。
帯状疱疹とは、子供の頃にかかる「みずぼうそう」のウィルスが、抵抗力が落ちてくると、再び顔を出す病気です。
今は、良い薬があるようで、治療すれば治りますが、ひどい痛みを伴う場合があります。
それでも、父は「これくらいで、負けてたまるか!」と踏ん張っていましたね。
いま思い出しますと、リハビリ病院に転院してしばらくは、とにかく順調にリハビリが進まなくて、家族のほうがストレスを感じていました。
焦っても仕方がないのは分かっていますが、途中で熱が下がらないので、元いた救急病院に検査入院をした事もありました。これでますますリハビリが遅れると、当時は思っていましたね。
この時期の方に送れるアドバイスとしては、思い通りに進まない事が多く、本当に焦りや不安を感じると思いますが、功を焦らず、前を向いて、少しずつ自分にできる事をするという事でしょうか。本当にそれしかありませんからね。
さて、この後、更に思ってもいなかった出来事が起こります。
ブログランキングに登録してみました。応援して頂けると幸いです(^人^)