前回までで、【在宅介護を行うにあたっての、三つの事務手続き】について説明してきました。
今回からは、在宅介護のための住宅改修(リフォーム)について考えてみたいと思います。
Contents
【在宅介護のための住宅改修(リフォーム)とは?】
「在宅介護の準備。「立位の維持」を基準に今後の方針を決めよう!」では、どの段階まで在宅での介護が可能かを検証し、以下の段階ごとに、どのように介護をしていくかを考えてみました。(すべて脳梗塞の患者で体の片側が麻痺している状態を想定しています)
(A)歩行が可能で、補助無しでも立位を維持できる。
(B)歩行はできないが、車椅子の操作が可能で、補助が一人付けば一定時間立位を維持する事ができる。
(C)Bの状態から、立位の維持が難しくなる。ベッドから車椅子やポータブルトイレへの移動に複数人の補助が必要となる。
※ 立位の維持ができるかどうかと、立位の維持に補助が何人必要かが最も重要になってきます。
(A)の状態と(B)の状態では、生活のパターンは随分と変わってきます。
(C)の状態は、外見的には(B)の状態と同じですが、介護の負担は急激に上がってくるので、在宅での介護よりも最初から施設への入居を考えたほうが良いかもしれません。
今回は、在宅での介護が可能と判断した上で、具体的に自宅でどのような生活を送っていくかをシュミレートして行きたいと思います。
【まず、自宅に入るまでを考えてみよう】
車から降りて玄関へと向かいます。
(A)の状態であれば歩行で、(B)の状態であれば車椅子だと思います。
マンションであれば、玄関を入り、エレベーターへと向かいます。その際の段差は大丈夫でしょうか?
一軒家であれば、どうでしょうか? 想像してみて下さい。
我が家の場合は、元もと山地に住宅地を建設しているため、まず道路から家の敷地(庭)まで約1メートルの段差があり、5段の階段があります。
父の場合は、(B)の車椅子ですから、階段を利用する事は不可能です。(A)の場合では、階段に手すりを取り付けるなどの対応が必要となります。それでも5段の階段を上がるのは、かなり大変そうですね。
家の敷地がかなり広ければ、スロープを作るという選択肢もあるかもしれませんが、結果的に我が家の場合では、駐車場のフェンスを取り外して、1メートルの高さまで上がれる介護用リフトをレンタルする事にしました。
この高さまで上がれる介護用リフトをレンタルしている業者は、現在ではかなり少ないかもしれません。(60センチ位の高さまでのリフトは結構あるようです)
うちが借りた当時は、二件ほど扱っている業者があったのですが、現在は一件だけのようです。またこの扱っている業者でも、利用者はうちだけのようです。このリフトが壊れた場合は、もう替えは無いそうです。困りましたね(-.-)
さて、このリフトを利用して家の敷地までは上がれるようになりました。
【続いて、玄関を開けて中に入ります。】
基本的にマンションなどの場合は、あまり段差は無いと思いますが、一軒家の場合は玄関の土間から家の上に上がるのに、30センチ程度の段差があると思います。
(A)の状態の方であれば、間に一段台を置いてあげれば、上り下りは可能そうでしょうか?
もしくは一旦座って腰を下ろし、靴を脱いでから、方向転換をして立ち上がりますでしょうか。その際は手すりが必要そうですね。
(B)の車椅子の場合は、ウィリーをさせて登らせますか?う~ん、介助者が男性であれば可能でしょうが、女性には難しそうですね。
結局、我が家では玄関からの出入りは諦め、リビングの窓から車椅子を直接出入りさせる事にしました。
庭の敷地からリビングの窓までは、やはり30センチ以上の段差があります。こちらも介護用リフトをレンタルする事にしました。これでリフトは二台目ですね(+_+)
前述した1メートルの高さまで登れるリフトと比べれば、この程度の高さまでのリフトは大抵どこの業者も扱っているようです。
【バリアフリーの工事を考える】
さて、我が家の場合は、もう一つ問題がありました。
駐車場から、リビングの窓までが芝生です。さすがに芝生の上を車椅子で押すのは、凸凹していますし、雨の日はビチャビチャになりますから、無理ですよね。
という訳で、駐車場からリビングの窓までをコンクリートで通路を作り、バリアフリーとしました。こういった介護を目的とした工事には市区町村から補助金が出ますので、ケアマネジャーと相談して申請しましょう。うちの場合で18万位の補助金が出たと記憶しています。
【参考記事】
バリアフリー工事など、介護用補修工事の補助金の申請については、以下の記事で詳しく説明しています。
↑ 駐車場からリビングの窓までは、バリアフリー工事を行いました。
こうして書いていると、家に入るだけでも大変ですね。家に入るだけであれば一軒家よりマンションのほうが楽かもしれません。
またこれから家を建てる方は、ご自身の老後の事も考えて設計したほうが良いかもしれませんね。
次回は、室内をいかに介護用に改装していくかを考えてみたいと思います。
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