前回までで「退院に向けての一時帰宅」も済みましたので、今回から退院に向けての本格的な準備に入ります。
具体的な工程としては、バリアフリー工事や手すりの取り付けなど、工事費の見積もりを取り、市区町村へ介護用補修工事の補助金の申請を行います。
実際に工事に入るのは、補助金の申請が通ってからとなります。
そして、もう一つは介護用リフトや介護用ベッドなどの介護用品の搬入ですね。
介護用リフトは、レンタルできる業者のメドが立っていましたので、うちの場合は、駐車場からリビングの窓までのバリアフリー工事が一番の山場でしたね。
では、具体的な工程を見ていきましょう。
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〈工事費の見積もりは、複数の業者から〉
いずれリフォームについてという記事を書くつもりですが、バリアフリー工事の場合も複数の業者から見積もりを取りましょう。
うちも三件位の業者から見積もりを取りましたが、値段はやはり数万円の開きがありました。また工事一式と書いてある業者もあれば、材料費がいくら、処理代がいくら、人件費がいくらと細かく記載してある業者もありました。
どちらが良いかと言えば、やはり細かく明細が書いてあるほうが、安心できますね。
あと介護用の工事であれば、やはり実績というのも気になります。
知り合いで介護用の工事をした方がいれば、ぜひ聞いてみましょう。
また、ケアマネジャーや介護用品のレンタル業者も、介護用の工事をいくつも見てきていますから、工事業者との付き合いがあります。相談すれば、紹介してくれるでしょう。
退院が決まってからの期間は短いですが、できるだけ情報を集めてから、決めたら良いと思います。
うちの場合は、結局見積もりの一番安い業者ではなく、介護用品のレンタル業者に紹介された工務店に決めました。値段よりも実績を取ったという結果ですね。
↓工事業者にまったく当てがない場合は、ネットの一括見積を利用してみるのも一つの手だと思います。
〈介護用補修工事の補助金の申請〉
見積もりを取り、工事業者が決まったら、介護用補修工事の補助金の申請に入ります。
介護予防を目的とした住宅改修の補助金の申請は、事前に市区町村への申請が必要です。
まずケアマネジャーに「住宅改修が必要な旨の理由書」を作成してもらって、工事の見積書、改修前の写真などと共に役所の窓口に提出します。
実際の工事は、役所からの承認を受けてからとなります。
工事終了後は、工事の終了証明書や領収書、改修後の写真などの必要書類を窓口に提出し、補助金の請求を行います。
補助金の限度額は、20万円迄で、そのうちの9割が給付されます。ようは18万円までの補助金を受け取る事ができます。(高額所得者の場合は、2割が自己負担となるので、16万円まで)工事費が20万を超えた場合は、超えた分の費用は自己負担となります。
〈バリアフリー工事の工程〉
補助金の申請が通ったら、日程を決めて、実際の工事に入ります。
バリアフリーの工期は、規模にもよりますが、通常は大体4~5日位だと思います。(複雑な構造や曲線などの場合は、もう少し日数がかかると思います)
一日目に芝生を剥いで、土を削り、プレートなどで下地を固めて形成していきます。その際、芝生や残土の処理費が発生します。(大抵は見積もりに含まれている筈です)
二日目は、バラス(工事用の砂利)を引いて、プレートなどで再び固めて、ワイヤーメッシュ(鉄筋を最初から編み込んである物)を固定します。
三日目に、コンクリートを作って、ワイヤーメッシュの上から流し込んで、形成していきます。うちの場合で7メートル位で10センチ位の傾斜があります。
介護用のバリアフリー工事であれば、表面はツルツルではなく、刷毛引きにしてもらいましょう。
コンクリートが乾けば工事終了ですが、夏場でも二日間くらいは入らないように。コンクリートは最初はグレーですが、乾いてくると白っぽくなります。
うちの場合は、工務店から職人さんが一人で来ていましたので、二日目と三日目のコンクリートを流し込む迄は、私も手伝いましたね。
普通は手伝う必要はありません。私の場合は、前職が造園業で、土間工事の経験があったので、ついつい手伝ってしまいました(^^;)
↑15年経っているので、すっかり汚れてしまいましたが、緩やかなスロープになっています。
〈介護用リフトの搬入〉
さあ、バリアフリーが完成しましたので、続いて介護用リフトの搬入です。
うちの場合は、「介護用品のレンタル」に記載したように駐車場から家の敷地までが約1メートル、土間からリビングの窓までが約40センチの段差がありますので、計二台の介護用リフトを借りる事にしました。
また借りた業者も別々だったので、日を分けて搬入に来てもらいました。
40センチのリフトのほうは、ある程度完成された状態で運びこまれてきて、最終的な高さを業者さんが微調整していきました。
↑リビングの窓に設置した40センチの高さのリフト、スロープが固定され、安全装置が付いています。
1メートルのほうのリフトは、バラバラの状態で運ばれてきて、駐車場で一日がかりで組み立てていきました。
あちらはプロですからね。リフトの場合は、私も手伝う訳にはいきません。
つくりは、40センチのほうがしっかりしていますね。安全装置が付いていて、リフトが上がり始めると、スロープも一緒に上がり固定されます。
1メートルのほうも、スロープは一緒に上がりますが、固定はされないので、少し怖いですね。(実際、デイサービスの職員が車椅子を運んでいる時に、危ない!と思った事が幾度かあります)
メーカーが改良してくれれば良いのですが、もう生産されていないようです。(途中で一回だけ、新しい物に変えてもらった事はあります)
↑駐車場に設置した1メートルのリフトは、このような感じです。
↑上がるとこのような感じになります。スロープも一緒に上がっていきますが、固定はされません。
さあ、バリアフリーの工事と介護用リフトの設置も済んで、我が家は退院の準備が整いました。
退院を控えている方も、各自の住居や生活パターンに合わせて準備を進めていきましょう!
次回は、在宅介護に向けての最後の山場である「不用品の処分」について考えてみたいと思います。
次の記事 不用品の処分は、各ジャンルの専門の宅配サービスを利用しよう。
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